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6月21日~7月11日の東京都時短営業協力金「分かりにくい」ポイントを解説!

いつまで続くのか・・・時間短縮営業とお酒提供の自粛

もはや昨年の11月くらいからまともに働いてないという飲食店経営者も多いはず。

 

小さな個人店の店主たちの中には、通常営業に戻ったらまともに働けるのか・・・と危惧し始めている人もいるでしょう。私もそうです。

 

今のところ9月12日までの緊急事態宣言となっているけれど、また延長されるんでは?という悲観的な見方が大半ではないでしょうか。

 

9月1日現在、今後の協力金申請スケジュール

 

これまでは、まん延防止や緊急事態宣言期間の1か月以上後に、協力金申請の受付が開始されていましたが、7月21日~8月31日の緊急事態宣言、延長に対する協力金の申請開始は9月15日と2週間後となっています。

 

飲食店としては当然助かります。

 

が、今まで申請受付開始が遅かったから、と言って「どうせ、まだだろう」と油断してると申請期間が終わってしまうので要注意。

 

支給金額の計算は1店舗当たり3万円~

今回は、まん延防止等重点措置期間中なので、2019年、2020年の対象月の1日の売り上げが7.5万円以下(1か月225万円【税抜】以下)の場合、支給金額は1日3万円でした。

 

たぶんお酒が提供できたからでしょう。

 

 

次回の7月12日~8月31日までの緊急事態宣言中の申請時は支給金額が変わります。

 

1日の売上が10万円以下(1か月310万円【税抜】以下)の場合、4万円の支給となります。

 

6月21日~7月11日までの協力金申請は9月17日まで

分かりにくかったポイント

 

実際、申請してから、書類不備で連絡をもらった内容になります。

 

まず、数店舗を経営している場合、1店舗でも1日の売り上げが10万円を超える店舗があれば、すべての店舗ごとに売上帳簿の添付が必須になります。

 

10万円以下の店舗は売上帳簿の提出は必要ないと書いてあるのですが、1店舗でも10万円以上の売り上げの店があると、添付が『必須』となってしまうので要注意です。

 

画像に赤字で「対象月6月と7月分が必要」と書いてあるところです。こちらは1日当たり10万円以下の売上の店舗の申請画面ですが、売上帳簿の添付をしないと先に進めません。

 

また、1個しか添付できないので、6月と7月の2か月分の帳簿を一つのファイルにまとめるか、6月はここに添付して、7月分を「その他添付」に添付します。

 

実際、2019年6月分の売上帳簿しか添付しなかったところ、「7月分も添付してください」と言われました。

 

それからもう一つ。 確定申告書を添付するのですが、今回、過去にすでに31年度分は提出しているので、令和2年度(最新版)の確定申告書を提出しました。

 

ところが、売上高の参照月が2019年の6月と7月だったため、「2019年6月と7月が含まれている確定申告書を添付してください」と指摘を受けました。

 

これも、概況説明書の表と裏面の写しも添付が必要なようです。無い会社もあるでしょうから、その場合は不要なのかしら?とその辺はわかりませんが、添付するように言われました。こちらも『その他添付』に添付しました。

 

 

今回分かりにくかったのは、この2点です。

 

よって、次回も7月と8月の月またぎの申請になるので、1店舗でも1日10万円売上ている店舗をお持ちの場合は、各店舗の2か月分の売上帳簿の準備が必要となりますね。

 

では、また次回も分かりにくいポイントの解説をします!

5月12日~6月20日の東京都時短営業協力金申請スケジュールと「分かりにくい」ポイントを解説!

 

協力金の申請スケジュール

 

私は先日8月2日、7月26日から受付が始まった5月12日~5月31日の緊急事態宣言延長と6月1日~20日までの緊急事態宣言再延長分を申請しました。

 

これまでの申請スケジュールはこちらです。

 

 

4月12日から5月11日までの協力金申請分の受付期間が8月20日までに延長されていますので、申請がまだの方はお急ぎください。

 

こちらもご参照ください⇒ 【4月11日~5月12日までの東京都時短営業協力金・オンライン申請の「分かりにくい」を解説!】

 

前回同様、今回も店舗ごとに売上高、もしくは売上高の減少率に応じて支給金額が決まります。

 

申請の注意点

 

前回と比べ、今回の申請手続きは改善されて分かりやすくなっていました。

 

何度か申請していると簡易申請となるので、非常に簡単になってきます。

 

しかしながら、1点気を付けなければならないのが、申請受付は同時なものの、前回の4月~5月分の申請と違い、 ①5月12日~5月31日までと②6月1日~6月20日までの申請を別々にしなければならないことです。

 

つまり、仮アカウント登録を新たにして、マイページを別で用意しなければなりません。 ①の申請後に再びこのページにて登録をして、ユーザーIDの2つ目を用意してから②の申請をするイメージです。

 

 

そして、1店舗ずつ必要事項を入力、書類を添付して登録する、を店舗数分繰り返してから最後にまとめて『申請』を行います。 1店舗入力しただけで申請してしまっては、後で再申請できないため、とんでもないことになりますのでご注意を。

 

申請のステップ

 

【準備したもの】

★確認書 ①5月12日~5月31日までのもの ②6月1日~6月20日までのもの

 

★3店舗分のSNSまたは店頭張り出しした告知分

 

 

★10万円以上の店舗の売上帳簿【税抜き表記】 2019年(2020年)5月、6月分

 

★10万円以下の店舗の2019年(2020年)の5月、6月の売上が分かるもの(提出はなしで記入だけ)

 

★感染拡大防止徹底点検済証(発行されている店舗) *必須ではありません。ない場合は代わりに「コロナ対策リーダー宣誓書」を用意します。

 

店舗登録で分かりにくいところ

 

 

前回と同様、『特例選択』のあり、なしを聞かれます。

 

『特例』とは

 

2019年、2020年の対象月にまだ開店していなかった場合

 

2021年5月、6月に開店した場合

 

災害にあってしまっていた場合(罹災)

 

などです。 店舗によって選択します。

 

 

今回の申請において、分かりにくいポイントはこのくらいだと思います。 毎回、手順が改善されていて、コロナが終息するころにはかなり良い申請サイトになっているかもしれませんね。

 

社会保険や雇用保険の電子申請もこのくらいわかりやすくしてほしいものです。

4月11日~5月12日までの東京都時短営業協力金・オンライン申請の「分かりにくい」を解説!

ここ数か月の飲食店対象の「営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金」はオンライン申請だと簡易申請も用意してくれて、 ものの30分もあれば3店舗分の申請ができるくらい簡単でした。申請するパターンも毎回同じなので、用意する書類もあらかじめ頭に入っているし すでに提出済みの書類は再度アップデートしなくてもいいようになっています。

 

でも、今回6月30日に申請が始まった「4月11日~5月12日までの申請分」からは協力金の金額が店舗の売り上げにお応じて変わるため、 申請に必要な書類に変化が出てきました。

 

それに伴い、今回の申請には電話での問い合わせ待ち時間も合わせて2時間以上かかりました・・。 電話での問い合わせはつながるまで待つか「混んでるからかけなおしてください」と言われるので、私が電話を2回して聞いた内容を含めてご説明します。

 

 

今回新たに加わった必要書類

 

まず、トリッキーポイント1つ目

感染拡大防止徹底点検済証は必ず必要ではない

当社の3店舗のうち、1店舗がまだ点検が実施されておらず、徹底点検済証が発行されていない状態でした。 点検実施されるまで待たないといけないの?と思って電話してみたところ「ない場合は提出しなくてよい」とのことでした。

 

トリッキーポイント2つ目

申請店舗が複数ある場合は「基本情報」に毎回戻って1店舗ずつ登録する

申請画面を開くと

 

 

こちらの画面になり、過去にすでに入力した情報がそのまま入力された状態で出てきます。 そして私がつまずいたのはここ ↓

 

 

1日の売り上げ(全各店舗) 言葉のあやなのだが、「全店舗」「各店舗」ならわかるが、「全各店舗」とはどういうことだ?? うちは3店舗中1店舗が10万円以上、2店舗が10万円以下。どっちを選べばいいの? と疑問に思い、2回目の電話。

 

とにかく待ち時間が長く、つながったと思ったら「どうされましたかあ~~~?」 と長く伸びた声。どちらを選べばよいか?と聞いたらマニュアルを取りに行きました。 待ちます。

 

結果、1店舗ずつ選んで、「店舗1を編集、登録⇒ 基本情報に戻ってくる⇒店舗2を編集、登録⇒基本情報に戻ってくる ⇒店舗3を編集、登録⇒間違いがないかを確認して申請」ということでした!

 

そうかそうか、全各店舗の合点がいきました。

 

ここで注意すべきは、全部の店舗の編集、登録が終わる前に申請ボタンを押してしまうと元に戻れず、取り返しがつかないことになる、ということ。 必ず全店舗の登録がすんでから申請してください!

 

 

特例とは何のこと?

 

特例」は何を指しているのかが分からず、これも電話で聞いてみました。(募集要項をよく読めば書いてあったのかも) これは、2020年4月、5月という計算基準となる対象月に店がオープンしていなかった場合。または罹災していた場合。

 

当社は3店舗のうち1店舗が2020年12月オープンだったので、特例を選びたかったけれど7日からしか選べないので、無理やり「なし」で そのまま進みました。(だって選べないんだもん)

 

そして、2020年4月、5月の売り上げを0円で入力。これがそのまま通るかどうかはわかりません。

 

 

10万円以上の売り上げ店舗の必要書類

確定申告書 別表1(私は概況説明書の表面と裏面も付けました)、2019年、2020年度の売上高が分かる帳票(税抜き金額が分かるように作る) です。税抜き金額での売上高なんて一言も言ってなかったじゃないか、と思いつつ提出しました。 売上高を入力すると、自動計算で1日の協力金の金額が出てきます。

 

 

 

 

そんなわけで、電話で聞くのも時間がかかるので、参考になればと思い自分がつまずいたところを書いてみました。 ご参考になれば幸いです。

 

 

 

品川区立武蔵小山創業支援センターの起業セミナーに登壇するぞ。

久ふりの更新です。毎回ですけど。  

 

最近、FMしながわさんに3回出演させていただいたりして浮き足だっている石渡です。

 

実は、今度は2021年5月29日に、武蔵小山の創業支援センター様主催の起業セミナーに登壇させていただくことになりました!

 

Webセミナーでカメラに向かって1時間30分お話しするんですが、90分って結構な長さです。 話す自分はいいとして、聞いている方がしんどいかもしれません。

 

話すテーマは「飲食業女性起業家の本音~ぶれずに続けるコツ~」

 

受講している方がしんどくなって、途中でぶれて洗濯物取り込みに行っちゃったりしないように、 資料作りをそっちのけに人気YouTuberの飲食店経営の番組を研究しています。

 

話し方も内容も。

 

パクってはいけない、パクってはいけない・・・。

 

先日メルマガが創業支援センター様から届き、その内容がこちら☟

 

新緑も眩しい爽やかな季節になりましたね。 5月の風に運ばれて、29日(土)の“耳よりサロンVol.81「飲食業女性起業家の本音~ぶれずに続けるコツ~」”には、武蔵小山で人気のあの“イタリアンオステリア「レオンビアンコ」”と“アイリッシュパブ「シェイマスオハラ」”のオーナー、株式会社Anthill(アントヒル)代表 石渡彩恵さんにご登場いただきます。

 

厳しいといわれる飲食業で2007年に1店舗目をオープンして以来14年、数店舗を切り盛りされる石渡代表に起業家としての本音や続けるコツをお話しいただきます。

 

これからカフェや飲食業を開業される方、飲食業やサービス業を始めて2~3年の方にも興味深い内容です。

 

今回は【スペシャル耳よりサロン】ということで男女参加可!となっています。 お待たせしました!男性の方も参加していただけますよ。オンライン配信ですが人数限定ですので、お申し込みはお早めにお願いします。

 

■【スペシャル耳よりサロン★男女参加可!】 耳よりサロンVol.81 「飲食業女性起業家の本音~ぶれずに続けるコツ~」 オンライン配信 無料! https://musashikoyama-sc.jp/seminar/?id=1444 5月29日(土)14:00~15:45

 

【講師】石渡 彩恵(いしわたりさえ) 株式会社Anthill(アントヒル) 代表取締役 ▼お申込みはこちら https://musashikoyama-sc.jp/login/

 

『武蔵小山で人気のあの~』!!!!

 

『人気のあの~』!!!

 

読んだ方が『あ~、あの、あれか。。。』ってなってたらショック、と勝手にネガティブモードに入りましたが、 無料なので、少しでもこれから飲食店で起業しようとしている方々に有益な情報がお届けできればと思っております。

 

ご興味ある方はぜひのぞきに来てください!

 

必要に駆られて、ついにプロフィール写真撮っちゃった。

 

 

#女性起業家 #起業セミナー #無料 #女性経営者 #飲食店経営者  

武蔵小山オリジナルビール、リニューアル

武蔵小山オリジナルビールが昨年10月から半年間製造をストップしていました。

工場を新設するためで、この度、羽田イノベーションシティの羽田ブリューイング様でリニューアル製造する事になりました。

2月5日に仕込んだタンクから今週樽詰めをします。
その前に3月5日に味見をしてきました。

今回は、副材料として「あれ」が入っていて、フードロス軽減にも貢献しています。
さて、なんでしょう??
ラベルの原材料をチェックしてみてくださいね😙

最初は超スタンダードエールで、ゴールデンエールですが、軽め、苦味少なめです。色も黄色に近い。
悪く言えば、特徴がない、でも、良く言えば何杯でもくいくい飲める!仕上がりになっています。

 

これには意図がありまして、まず第一弾は軽めに作り、これから皆様の意見を聞きながら徐々に姿を変えていく、みんなで作りあげる変幻自在の地ビールにしていきたいのです。
一つ味が決まったら、それをメインにして、別のタイプのビールを季節ごとに増やすのもありだな、と思っています。

そして‼️なんとなんと、次回の仕込みは恵比寿の名店、「賛否両論」武蔵小山出身の笠原シェフに監修していただくことになりました!

3月19日に羽田イノベーションシティのブリュワリーで瓶詰めのセレモニーを開催するのですが、その際に笠原シェフに立ち会っていただき、次回の味決めをする予定です。

武蔵小山一番麦酒、という名前でしたが、生産量の問題でビールとは呼べないため、「武蔵小山一番麦酒」から【武蔵小山一番エール】と名前が変わります。

おりしも新型コロナウィルスの渦中で苦労されている武蔵小山の皆さまに「エール」を送りましょう!

店長がソムリエの資格を取った!!!

コロナ渦に、嬉しい報告が!

12月に店長がソムリエ試験に合格しました💮👏
忙しく毎日片道2時間かけて武蔵小山まで通勤している間にも、コツコツ勉強して掴み取った合格です。

レオンビアンコのワインは店長植田がセレクトしています。
(名前をなんとなくぼかしてみました)

そして、1月下旬にもう一つ嬉しいニュース😃

覆面調査の結果、サッポロ黒ラベルをパーフェクトな状態で提供するお店に認定されました‼️

そうでなきゃおかしいんです。
なにせ、オーナーの私と店長植田はサッポロライオンの出身。
ビヤホールでバリバリサッポロ黒ラベルを注いでいたのです🍺

というわけで、自信を持って美味しいワインとビールをご提供いたしますよ!!

#wine #winebar #jsaソムリエ認定証 #jsaソムリエ #ソムリエのいるお店 #ワイン好きな人と繋がりたい #ワインバル #フリウリヴェネツィアジューリア #フリウリワイン #パーフェクト黒ラベル認定店 #パーフェクト黒ラベル #武蔵小山 #レオンビアンコ #leonbianco


武蔵小山 寺子屋小山台での学び

2月20日、半年間参加していた大人の学習の場、「寺子屋小山台」の最終講義が終わりました。

寺子屋小山台は武蔵小山の小山台高校の教育財団が開催する無料の講義です。

塾長の福川伸次先生は元通産省事務次官であったり、元大平内閣総理大臣の秘書官であったりと大変な経歴をお持ちの方で、先日まで日経新聞の「私の履歴書」に連載をされておりました。

他の講師の方々も錚々たる経歴の持ち主でしたが、皆さんに共通することは、目線を私たちに合わせ、決して驕らない腰の低い方々でした。

全6回の講義では、
・自分が源泉という考え方
・リーダーシップ論
・日本の政治
・SDGsと国際貢献
・中国から見た日本、米中関係
・名画鑑賞を通したリーダーとしての伝え方
・これからの日本
を学び、最後に最終発表の場がありました。

事前に課題があり、その後講義、講義後に講師の方へのお礼状を提出するサイクルで、一つの事柄についてじっくりと考える機会がない最近では大変貴重な時間でした。

私が講義を通じて学んだことは
人間は自分がどう生きるかを選択できる。
その選択ができる環境を創出すること。
自分にとって正しい選択をしていくための教育。

ジェンダーギャップや女性の活躍、夫婦別姓、これからの日本の立ち位置、どう生きるか、どうありたいかetc…

選択肢がなければ、自分の生き方に行き詰まりを感じる時があるかもしれない。

だから、ありとあらゆる選択肢を用意して、型にはめずに自分らしい生き方ができる日本になったら良いな、そのために自分は何ができるかな。

福川先生が、坂本龍馬の言葉を引用して、「これからも共に学び、「日本を洗濯」する令和維新の先頭に立って欲しい」とおっしゃっていた事が印象に残ります。

自分には何ができるのか…

生涯の課題が持てました。

武蔵小山のフリウリ「レオンビアンコ」の歴史

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1900年代初頭のレオンビアンコ


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2016年上の写真と同じ角度で撮影

 産業革命の波が打ち寄せ、社会が大きく変革した1900 年ころのイタリア。

ワインづくりや養蚕の拠点として、フリウリ=ヴェネチア・ジュリア州のコル
モンスは繁栄の絶頂期を迎えていました。

ルノアールの絵画に描かれた人々のように、ドレスを着た豪華な装いの人々が行き交う大通りで、レオンビアンコは街でも有数の規模を誇るホテルとして開業します。

メインエントランスの他に、広い中庭に続く馬車口を備えた、3 階建ての大きなホテルでした。
コルモンスはまた、ヨーロッパの動乱の歴史とともに歩んだ軍事的要衝でした。第三次イタリア独立戦争の結果、ヴェネツィアやフリウリのイタリアへの帰属が認められましたが、その戦争はこの街で結ばれた休戦協定によって終結を迎えています。

大きな2つの対戦

やがて時代は二つの大戦へと向かうことになり、コルモンスの商業都市としての姿は、徐々に失われていきます。
盛んだった養蚕が、日本からの絹の流入や蚕の病気により衰退していく一方で、街には従軍した多くの若者が暮らし、街の様子は一変。

ムッソリーニもこのレオンビアンコの屋根に上り、双眼鏡を使ってスロベニアを視察したと伝えられています。
早くから電話を備えていたレオンビアンコには、故郷の家族や恋人と話そうと、若い兵士たちが次々にやってきます。

ホテルはやがてバーに姿を変え、彼らの間ではこんな言い回しが。
──「 さぁレオンビアンコに口を濯ぎにいこう。」

それは街へおいしいワインを飲みに行こう、という意味。日ごろの緊張から解き放たれようと集まる若者で、レオンビアンコは連夜の賑わいを見せました。

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 しかし二度の大戦を経て土地は荒れ果て、ワイン産業は壊滅。軍は近代化やユーゴスラビアの解体により、
かつてのような駐屯兵力を必要としなくなります。
さらには1970 年代までに、養蚕および製糸産業が蚕ウイルスの蔓延によって終焉。
コルモンスはその活力の多くを削がれることになりました。

100年の歴史に幕を閉じる

1999 年に幕を閉じるまで、4 世代にわたって受け継がれたレオンビアンコも、そうしたコルモンスの歩みと運命をともにしたのです。
それでも地域の人々の心に宿した思いは絶えることはありませんでした。地元のアマチュアサッカーリーグで強豪チームとして名を馳せ、30 年そのクラブの活動が続くチームも、レオンビアンコの名を冠しているほか、特に現在のコルモンス経済を牽引する世代の誰もが、青春時代を謳歌したバー・レオンビアンコでの思い出とともに生きています。

スローライフやアグリツーリズムの需要が高まりをみせる中、コルモンスは新しい世代が生み出すゆたかなワインとともに、その自然や食が、世界中から再び注目を浴び始めています。

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オリジナルのワインのエチケット(左)/クラブチームのロゴ(右)

時を経て東京に復活

 時を同じくして、レオンビアンコもこの東京で、ひと時の眠りから目覚めました。そして東京の多くのお客様に与えていただいた新しい活力を元手に、ついには、かつてコルモンスでも実際に振舞った数々のワインを東京にまで呼び寄せ、このブログを読んでくださったみなさまが主人公の、新しい物語へ踏み出そうと、大きくつま先を振り上げています。

ワイナリー1 ブジネッリ(Buzzinelli)

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ブジネッリ BUZZINELLI について


1942年、初代のポルダとジジ夫婦の献身的な努 力 に よ っ て 、ブ ド ウ 栽 培 と ワ イ ン 醸 造 が 始 め ら れ ま した。

ジジ は接木の先生として活躍しており、ま たとても味 の 分 かる人でした 。

 当 時 家 族 は 彼らと 、 彼らの息子カルロ、ジジ jr.で構成されていて、息 子 た ち は 成 長 ととも に 、父 の 尊 敬 す べ き 仕 事 を 引 き継ぐために、彼らが生まれたこの土地で暮らした そ の 経 験 と 、知 識 と を 適 切 に 結 び つ け て 仕 事 を し ていきました。

 

 ポ ル ダ と ジ ジ の 孫 で あ る マ ウ リ ツ ィ オ は 、チ ヴィ ダ ー レ の 農 業 専 門 学 校 で エ ノ ロ ゴ( 醸 造 師 )の 課 程 を 修 了 し 、父 ジ ジ j r . の 他 界 後 、そ の 情 熱 の 火 を 引き継いでいます。

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マウリツィオ.ブジネッリ

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2019年2月に現地視察に行った時の様子

現地視察に行きました

 2019年2月、ワインインポーター、株式会社ヴィノアトランテの澤雅人氏、レオンビアンコ店長の植田毅彦、私と私の母、妹、娘のルチアでフリウリヴェネツィアジュリア州はコルモンスのワイナリーへ行きました。

(家族旅行かはたまた現地視察なのかという疑問はさておき)

 

わずか数日の滞在でしたが、ワイナリーの一つ、ブジネッリには他のワイナリーでもそうであるようにB&Bが併設されており、そこに泊まらせていただきました。

朝からクッキーやドーナツ、パンにたっぷりのプロシュートがテーブルに並びます。


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そして、滞在最終日は朝ごはんの食卓からすぐに横にあるカンティーナで試飲です。

まさにワイン好きには天国!

いつかレオンビアンコ コルモンスツアーを開催して皆さんにここにご案内したい!

と夢を抱いたのでした…

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─ ワイナリー巡りメモより [ブジネッリについて]
 1 9 3 7 年 に ス ロ ベ ニ ア か ら こ の 地 へ 。6 0 年 代 に ワ イ ン 作 り を は じめる。

80 年代になりスパークリングを開始。

事業の成功に ともない1990 年代に段階的に増築。現在は 12 万本の生産 能力、30ha の栽培面積を有する。葡萄の圧搾は 4 気圧と標 準的。

フリウラーノについて、どんな食べ物にも合わせてい けるよう味作りをしている。白ワインはどんな場面にも使える のが良い。(マウリツィオ談。おそらくフリウラーノがテーブル ワインであることを前提に)マウリツィオにいわせると、ブジ ネリでつくるソーヴィニョンは Sambuco(サンブーコ)という 花の香りがする。

メルローについてはアパッシメントを行う。 原 重 量 の 7 0 % ま で 乾 燥 を 進 め る 。農 業 に つ い て 、特 別 な 農 業 で は な い 。た だ 、こ と 7 月 以 降 に つ い て は 、ほ ぼ 手 を 加 え ない。果皮や樹表の防衛力も強くなり、手がかからなくなる。 また雨が多くなるため、葡萄は清潔に保たれ、同時に、人が 手を入れても雨に流され意味を成さなくなる。

レオンビアンコのワインへのこだわり

レオンビアンコは白ワインと北イタリアのお料理が自慢です。

Leon Bianco はもともとイタリア北東部のスロヴェニアオーストリアの国境にある、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のコルモンスという小さな町にありました。

かつてのLeon Biancoはもうなくなってしまいましたが、その周りにある親しい友人のワイナリーからここ、東京のレオンビアンコのお客様に美味しいワインをお届けしています。

フリウリヴェネツィアジュリア州はソムリエ界や、ワイン通の間では「白ワインの聖地」として有名です。

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フリウリ=ヴェネティア・ジュリア州はここ

これからたびたび、レオンビアンコのワインのラインナップを土地や歴史的背景とともにご紹介していきます。

今日はその第1弾!

フリウリヴェネツィアジュリア州コルモンスに行ってみた

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ワイナリーの畑の中のスロヴェニアとイタリアの国境に立つ店長、植田。
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 イタリア北東部の片田舎であるコルモンスの農家のワインはそのほとんどが商業的に大量生産されるものではなく、基本的には自分たちで消費したり、近所の人々がテーブルワインとして買い求めるものです。 

 ワイナリーの子供たちが、家の中やお庭でボールを追いかけてキャーキャーと走り回る姿や、来客があると自家製のプロシュートやチーズをドンッとテーブルに置き、ご自慢のワインを開けて客人にふるまう姿などを見ると、彼らにとってのワイン造りというものが仕事というよりもむしろ生活、人生の一部なのだと感じられます。

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ぶどうとともに育った子供達と共に。レンツォスグヴィンのワイナリーにて。

 昨今有機ワインやビオワインの人気が高まるマーケットの影響もあり、3年前まではみんな有機やバイオダイナミックを名乗っていましたが、名乗るには免許が必要となり状況は様変わりしたそうです。しかし、コルモンスのワインは、呼び名にかかわらず従来から自然農法で作られてきました。

 なぜなら愛する家族や友人が日常的に口にするものであり、子供たちの遊び場がブドウ畑だから、必然的に余計な農薬などは使わないのです。

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遠く離れたところにいるワインの飲み手である私たちも、隣の畑が収穫した安心安全な野菜を夕飯のおかずとしておすそ分けしてもらうような、そんな感覚で気負わずに安心してワインを手にしていいのだと思います。 

ワイン造りが家族、友人たち、ワインを口に含むすべての人々への愛をも表現していることに深く共感し、彼らを尊敬します。 

2年前からわたし達は日本ではこれまで飲むことのできなかったフリウリのコルモンスのワインを皆様にお届けしてきました。

  これからも、ぜひ、造り手のワインへの愛情に思いをはせながら当店のワインをお楽しみください。

 次回はワイナリーを個々にご紹介していきまーす!